拝啓私 徒然草々

日常と妄想、いろーんな角度から観た世界を紡ぎます。ことばで泳ぐの練習です。  【0806】定期更新してみます。毎週月曜日、だからそれ以外は目を運ばなくてもよいよ笑

脱・資本論1

脱・資本論

散り書き(1)

誰かが言った。金利が発明された経済は破綻に向かうようなことを。

僕は見た。イケアで、合理的な量販店の極まった姿を。天井を省略した内装、在庫倉庫を兼ねた大量陳列、ホットドック単品のフードコーナー。言わせてもらえば、商売の、それはマジックのネタが、すけすけで見えている感じ。それでも購入する人は購入する。僕が昔のままだったら、発奮しながら買っている。それがこわかった。

シュワルツ・ネッガーはハリウッドスターになったあと州知事になった。彼がアメリカに渡った時、お金をゼロだった。お金を稼ぎ、それで家を買って貸した。そういった繰り返しで資金を増やした。それが、「生き金」という使い方。鶏を飼って卵を食うこと。

「死に金」。給料を溜めて一括で外車を買う。鶏を飼って鶏を食うこと。

 元金の増えた分を使え、ということらしい。でも、

家を借りる人は、鶏?
外車を背伸びして買う人は、鶏?

そう、それがきもちわるい。資本主義は、仕組みを知らない人を見えないレールで整列させて抽出している。


僕はポール・スミス専門店に行った。作りがよく高価であった。ところが、ポール・スミスをビジネスや何かに生かすことがなければ、「死に金」である。

思いついた。ポール・スミスをつくろう。これは喩えだ。ポール・スミスというのも喩えだ。高い価値が付けられているものを買うために、自分の持っているものに付加価値を付けて売り、その資金で購入しよう、というタフなことはしない。価値が付けられているものを買って得る喜びを、自分で作りだすのだ。
ポール・スミスのスーツなど一式が30万円だとする。僕はスーツのおしゃれや、歴史、様式、外国の先端や、自分の体形や好みを勉強して、個人的に、あくまで個人的に、ポールスミスと同じくらい満足する一式を、青山とか足を使って10万円で揃える。
そうすると、30万円-10万円=20万円の利益になる。これが個人の感情の中だけで繰り広げられているのがおもしろい。はじめから人に価値を期待しないので、確実に成功する利益。想像によってつくりあげる創造通貨。通貨自体、金利自体、仮想なのだ。
そして、ポール・スミスの何を知っていよう。質の良さの何を知っていよう。価値を外に委ねれば、ある者には認められ、ある者には落胆を覚えてしまう。不安定なのだ。30万円なのに。
ところが、10万円+創造通貨20万円のポール・スミスの価値を決めるのは自分だ。誰に対して自慢しても30万円の価値がある。安定している。しかも、実際の費用は10万円なのである。

これが頭の中でまとめられたとき、僕は一歩、資本経済から脱却した。(?)

人情だとか、貧乏でも幸せだとか、そういうのはよく脚本にされている。ところが感情が問題なのではない。勉強すること、資本と張りあうこと、これが大事なんだ。



 がんばれ。せっかく貰った時間、価値ある勉強しよう。